講 演 会

< カッコウ類の托卵行動について >
講  師吉野俊幸氏 (フリーの野鳥カメラマン)
場  所八ヶ岳自然ふれあいセンター
日  時2005年4月17日(日曜日)13:30〜15:10
天  候
参加人数55名

八ヶ岳自然ふれあいセンターと共催でカッコウ類の托卵行動についての講演会を開催しました。 講師は八ヶ岳山麓を中心に活躍するフリーのカメラマン吉野俊幸さんです。 多くのスライドを投影してカッコウの托卵行動について解説していただきました。

托卵する鳥にはツツドリ、ジュウイチ、ホトトギス、カッコウの4種類がおり、カッコウの托卵相手はモズ、コヨシキリ、オオヨシキリ、 ホオジロ、アオジなどです。托卵の行動は非常にすばやく、僅か2秒で卵を産み、巣内の卵を一個持ち出す周到さがあります。

托卵した卵は托卵相手の卵より早く孵化し、孵化した雛は2日目から巣内の卵を背に載せて巣外へ出してしまいます。 1羽だけになった雛は親の餌を独り占めにして育ち、巣立ちする頃は育ての親の2倍以上になっていますが、それでも育ての親は餌を懸命に運びます。

これに対して托卵された側では 巣を卵ごと遺棄したり、カッコウを威嚇して 托卵を妨害したり、 オオヨシキリのように托卵された卵に穴を開けて中身を食べて殻を巣外へ捨てるなど、托卵される側の防衛行動もいろいろあり、 興味の尽きない話が続きました。



写真1 写真2

司会の大作副代表
講師の著書を紹介しています。

齋藤代表の挨拶。

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多くの聴衆を前に挨拶する本日の講師・・・吉野俊幸さん

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本日の講演会の主役−カッコウ

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木陰に隠れて托卵のチャンスを狙っています。

オオヨシキリの巣に托卵しているところ。


托卵した巣の様子

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   カッコウの托卵
オオヨシキリの巣・・・真中のやや大きい卵がカッコウの卵。

   カッコウの托卵
モズの巣・・・上がカッコウの卵。

   カッコウの托卵
アオジの巣・・・右上がカッコウの卵でほとんど見分けがつかない。

写真11 写真12 写真13

   カッコウの托卵
ホオジロの巣・・・左の大きい方がカッコウの卵。

   ホトトギスの托卵
ウグイスの巣・・・右のやや大きい方がホトトギスの卵

   ジュウイチの托卵
コルリの巣・・・上の大きい卵がジュウイチの卵。 ジュウイチは青い色の鳥の巣に托卵するる傾向がある。


写真14 写真15

カッコウの雛が卵を背で押し出している

同じ巣に2羽のカッコウが托卵し、一方の雛が他の雛を背で押し出している。

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オオヨシキリがカッコウの卵を識別して捨てる瞬間。

10日目の雛に餌を与えるモズの雄、この時期モズのメスはおかしいと気づいたのか餌を運ばなくなった。

写真18 写真19

ノビタキの小さな巣で育ったカッコウの雛は大きくなり巣が壊れてしまった。

育ての親ノビタキは大きくなったカッコウの雛の背に乗って餌を与えている。

写真20

雛は育ての親コヨシキリの3倍位の大きさに
成長。それでもコヨシキリは餌を与えている。

写真21 写真22

多くの質問があり、一つ一つ丁寧に質問に答える吉野さん。

ご注意 : 野鳥の巣や卵の写真を撮ることは、細心の注意と知識・経験を必要とします。
      繁殖の妨害とならないよう、営巣中は巣に近付かないようにしましょう。

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