講 演 会

< 丹沢の自然保護 >
講  師中村 道也氏(NPO法人 丹沢自然保護協会 理事長)
日  時2006年2月25日(土曜日)13:30〜15:00
場  所八ヶ岳自然ふれあいセンター
参加人数40名


八ヶ岳自然ふれあいセンターとの共催で、神奈川県の丹沢で自然保護に取り組んでいる、丹沢自然保護協会 理事長 ・ 中村 道也氏を迎えて 講演会を開催しました。

講演では野生動物が人家の近くに現れるようになった理由や、頂点種の猛禽の存在が意味する事柄、 無駄な植林の事例や行政との連携のやり方など多岐に渡っての話がプロジェクターを使って説明されました。 また自然保護活動の一環として、里山の植林,間伐などのイベントや、子供たちの自然学校の開催など、 自然に対する関心を深める幅広い活動が紹介されました。

また自然保護の取組みでは神奈川県の行政とNPOが連携して取り組んでおり、それに反して山梨県の取組みの遅れが実感させられました。

 

 

第2部 パネルディスカッション

テーマ  シカの食害と生態系の保存  開催時間 13:50〜16:10
 

講演会の後、上記テーマで中村 道也氏、日野水 丈士氏(大泉町「日野水牧場」経営)、 齋藤 一紀(当クラブ代表)の3名でパネルディスカッションが行われました。

 


写真1 写真2

ふれあいセンターの会場には40名の方々が集まりました。

齋藤代表の挨拶

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講師・中村道也氏丹沢周辺でキツネやタヌキやシカが人家の近くに現れ、農作物を荒らすようになった主な原因は 宅地開発にあると考えられます。

写真4 写真5

丹沢山塊の周辺自治体の秦野市や伊勢原市は昭和40年以降約3倍まで人口が増えており、 このため山麓の宅地開発が進みました。

丹沢の熊は牙が短いと言われていますが、丹沢が市街地で取り囲まれ他の山と隔離されている為 動物の遺伝子の劣化が進んだためと思われます。

写真6

クマタカが生息していることは クマタカを頂点とする食物連鎖が つながっており、 自然体系の バランスが取れていることを表わしています。このクマタカの営巣も丹沢では3箇所が確認されているだけです。

写真7
植林の様子
写真8
間伐の様子

植林や間伐には多くの若い人たちが参加しました。



・・・ パネルディスカッション ・・・

 
写真9

齋藤代表の司会でシカの食害と生態系の保全を
テーマにパネルディスカッションが行われました。

写真10 写真11 写真12

有害鳥獣の駆除は自然保護団体に任したほうが行き過ぎを防げるのではないか、と齋藤氏

ハンターが高齢化しており自衛隊が肩代わりすることも検討対象ではないか、と中村氏

春〜夏にかけて食害が発生し、ジャガイモやカボチャの芽を食べられるので被害が深刻、 と被害の現状を語る日野水氏

柵の設置や駆除をする前に森林管理をして、動物の住める環境を作らないと解決は難しいことと 山梨県は山の多い県だから もっと県に働きかけていくべきとの中村氏の指摘でディスカッションが締めくくられました。


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