八ヶ岳山麓には熊は生息していない、と思われてきましたが、最近 熊の目撃情報が増え、主としてキープ協会管理地周辺で活動する我々にとっても
熊についてのより深い知識が必要になってきました。
そのような状況に鑑み、今回八ヶ岳自然ふれあいセンターと共催で熊に関する基礎講座として、軽井沢のピッキオで熊の調査・研究をしておられる
南 正人氏 、大西信正氏の両氏をお招きして、熊に関する最新の情報をお聞きすることにしました。両氏は熊の調査・研究を始めてまだ日が浅いそうで、
むしろシカについて長年、宮城県の金華山で調査・研究をされており、シカのほうが専門だそうです。
熊は学習能力の高い動物で、ゴミ箱の蓋を開けたり、冷蔵庫のドアを開けることが出来ます。基本的には人を襲わない動物ですが、
驚いたり興奮すると人を襲います。熊に遭遇したときは、静かに少しずつ後ずさりすることが大切で、大きな声を出したり駆け出すことは危険です。
また熊は縄張りを持たないので、町に出てきた熊を殺しても効果は一時的で、別の熊が出てくる可能性が大きく、駆除だけで熊の出没を防ぐのは困難です。
ゴミは熊が触れられないよう隔離して、町の美化に勤め、山では落葉広葉樹林の保全を図り、越冬できる穴蔵を確保することが 熊との共存には大切だ、
ということが分かりました。 |