オヤマボクチ
【2004年10月】
雄山火口と書く。キク科。火口(ほぐち)とは、火打ち石から出る火花を移し取る材料のこと。
あんどんの時代には葉の裏や茎についた白い綿毛を採取して火口として利用していたらしい。
秋になると赤岳へ向かう牛首山までの登山路に咲いている。色鮮やかな他の花と違い、まるで水気 のない花は遠慮がちに下を向きその形を見ていると、昔海辺でウニを採ったことを思いだす。
本当に見れば見るほど味わいのある花でじっくりと見入ってしまう。
春の若葉は天ぷらにしても炊いても美味というが未だ食していない。
ハバヤマボクチと似ているが、丸みのある葉の形はオヤマボクチと思われる。
(飯田克美)