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八ヶ岳自然散策

ダケカンバ(岳樺)

【2009年3月】
亜高山帯に分布する岳樺は、地味な樹であるが厳しい自然環境下でもその生命力を見せつけてくれるつわものでもある。岳樺には雪が似合う。薄肌色の樹皮がほんのりとした温かさを感じさせつつ夕日を浴びて雪原に凛然と立つ姿の美しさは真に感動的である。
岳樺を目にすると懐かしい想い出が蘇る。半世紀程前のことだが、学生時代ワンダーフォーゲル部夏合宿で連日山中を歩き回っていたときのこと。人里を離れて一週間、食料が少なくなり味噌汁の具に窮した新人の私は、側で豊かに繁っていた岳樺の葉を摘んで入れた。名案と満悦だったが先輩から大目玉をくらってしまった。
かなりの時間煮込んだのだが硬くて食えない、正に“つわもの”だったのである。
(撮影:渡辺 克洋)
このページは、「 八ヶ岳ジャーナル」紙に寄稿した記事を掲載しています。
 
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