【2018年9月】
秋の気配を感じる頃、リンドウ、ノコンギクなどが群生する草原に、ひっそり淡紅色の花を咲かせる多年草です。
中国から遣唐使によってもたらされた薬用植物で、生薬名は景天草。
淡緑色の分厚い葉を火であぶり表皮をはがして腫れ物の患部に貼ったり、小さな切り傷には葉の汁をつけて治すので、
血止草(ちどめぐさ)とも呼ばれます。
切り取って数日置いても枯れず、その強さから武蔵坊弁慶になぞらえたのが姿に似合わない名の由来。
花言葉は、静穏、優しい心、信じて従う等。強くて優しく傷を癒してくれるとなれば、一家に一人、いえ一本欲しいです。
ルーペを通して見ると、ルビーを散りばめた様な世界を感じられます。 (文・写真 渡辺直美)