美し森と小滝を楽しむ
日 時 7月9日(水)9:00〜15:00
天 候 薄曇り
参加人数 会員9名
コース 美し森駐車場→美し森山頂→遊歩道→高根荘南分岐
→林道→小滝(昼食)→林道→美し森駐車場
案 内 伏見 勝さん(日本自然保護協会自然観察指導員)
配布資料 八ヶ岳の森フィールドガイド(その1)



天気予報は午後の天気は荒れると報じていた。空を見ればわずかに青空が見えると思えば雲が厚かったりで天気予報を裏付けている。
今日の案内をしてくださる伏見さんの美し森と今日のコースについての説明の後、お天気不安の中を9時少しを過ぎて出発。
観光案内所脇の石段から美し森山頂を目指す。両脇に大きな木はあまりなく、草原が広がっている感じだ。
曇っているので日差しが強くなく風が心地よい。しかし、雲間から陽が差すと急に暑い。

広がる草の間にリボンがついた棒がたっており、棒の下には草に覆われてはいるが、30p位のツツジの苗が植えてあるのが分かる。
よく見ると枯れているものも多い。
伏見さんの話では管理をしているのは観光協会で、苗は園芸種を含め、ひんぱんに植えるが、その後の保守管理がうまく機能しておらず、苗木が光を必要とする頃はすっかり草に覆われ成長できずに枯れてしまうか、育ってもひ弱で病気になりやすいのだそうだ。
確かに3mくらいになったツツジも枯れ枝をたくさんつけて元気がない。苗同士の幅が狭く密植状態のところもある。ツツジを売りにしたいのであれば、もっと植物に合った管理を志さなくてはいけないのではないか?考えさせられる山である。

登り始めて間もなく、木道に入る手前にカバノキ3兄弟が見られる。カバノキ3兄弟とはヤエガワカンバ、シラカンバ、ダケカンバのことだ。
ヤエガワカンバは初めてみた。割合ぶよぶよした感じの木肌のカンバだった。

色々な花を探しながらしばらく行くと木製のテラスに到着。清里高原が眼下に広がりのびやかな気持ちになる。
そこからは石が敷いてある道を歩いて標高1542mの美し森山頂に着く。
遠くにかすんで南アルプスや茅が岳方面の山が見えるが富士山はあいにく見えなかった。
ここから見渡す地形がフォッサマグナだそうだ。昔は太平洋と日本海がここで繋がっていたという。壮大なドラマのある地形である。

山頂から羽衣の池の表示に従って遊歩道を進むと右側に小さな川が流れているのが分かる。ここはクリンソウの群落の素晴らしいところだったが水芭蕉が持ち込まれ、クリンソウの数が少なくなってしまったとの事。来客者用に、なかった植物を持ち込んで売りにする、何とも貧相な発想に思える。

しばらく行くと右手に旧高根荘が見えてくる。そこを左に折れ林道に向かう(地図ピンクの道)。林道(地図青の道)は林床に笹が広がる気持ちのいい道である。笹が美しいと思った生まれて初めての経験だ。
通路縁のところどころにシロニガナ、コメガヤ、クリンソウ、バイケイソウ、ギボウシ、キバナノヤマオダマキなどが顔を出し、歩いていて飽きない。
樹木が混合林からカラマツやウラジロモミが目立ってきたころ右側が大きな石の壁が続くようになる。
板状節理の岩の重なりだそうで溶岩などが冷えて固まったものだとか。右斜面の木のところどころ黒い布のようなカバーがしてある。シカの食害を防ぐためで、木の皮をはいで食べるため、ぐるりと食べられると木が枯れてしまうのだそうだ。

林道が羽衣池から降りてくる道と合流した地点(地図の「分岐点」)から左に下っていくこと20分(地図みどりの道)で川俣川渓谷につく。
ここでお昼タイム。ほんの少し上ると左手に絹を広げた様な柔らかな水の落ちているところがある。
正面にまわると結構な幅を持った流れで見ていると気持ちが和んでくる。これが小滝。
ここで、石をめくってハコネサンショウウオとの出会いを楽しんだ人もいた。

13時15分出発。来た道を戻り、先ほどの道の合流地点に13時50分。
そこからはほぼ平らな林道を木を渡る風、足元のお花、飛んでいる蝶々を楽しみながら15時美し森駐車場につく。
今日見た花、虫、鳥、景色などを振り返って15時5分解散となった。

心配した天気はずーっと薄曇りで、心地よい風の吹く観察会向きのお天気でした。




コース地図



見渡す地形がフォッサマグナ 天女山の由来の説明 天女山の由来
遊歩道にはシモツケなどが咲いていた ミシン目のような正確な穴
笹がまだ丸まっている頃に虫に穴をあけられたため
旧高根荘から林道に向かう道
バイケイソウなどが咲く
林道沿いで見つけた
ヤエガワカンバの大木
岩壁に咲いていたウスユキソウ 分岐点
川俣川渓谷に到着
素晴らしい眺めの中、昼食をとる
小滝
緑におおわれた岩から水が流れ出している
石をめくるとハコネサンショウウオが



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