<横谷峡の紅葉をめでる>
《日本在来のカエデの紅葉を求めて》
日 時 10月24日(金)9:00〜11:30
天 候 晴れ
参加人数 会員12名 一般1名
コース 横谷峡駐車場〜横谷峡遊歩道〜乙女滝
〜川沿いの遊歩道〜横谷温泉旅館
〜霧降の滝(ここで折り返す)
〜 横谷峡遊歩道〜横谷峡駐車場
案 内 井澤武二さん
配布資料 日本在来のカエデ(一部)
横谷温泉マップ
観光協会蓼科中央高原マップ



9時に横谷峡駐車場に集合した。日差しは届かず、少し寒いが風もなく、空は高く澄んでおり秋の散策にはもってこいの天気。

本日の案内の井澤さんから駐車場にある3本のオオモミジの葉をもとにカエデやモミジについての解説を伺ってから、9時15分スタートする。

駐車場を出てすぐ左、大きなネグンドカエデの木があった。ネグンドカエデは春先には白の縁取りが入り奇麗だが、秋の紅葉は楽しめない木のようだ。葉は茶色く汚くぶら下がっている感じで頂けない。
木戸口神社の右側の道を行く。この辺は温泉が湧くだけあって硫黄のニオイが強くした。
遊歩道左斜面は大きな岩が続く。右は切れ落ちた斜面の底に渋川が流れており、川向うは山の斜面が迫っている。丁度V字谷の感じ。
遊歩道はその斜面の上流に向かって左側につけられている。
遊歩道に入ってすぐ左から随分な量の水が流れ落ちてくる。灌漑用水の水だそうで勢いよく川に落ちていく。
遊歩道右側はほどほどに木が生えており、遊歩道左の岩っぽい斜面とは趣を異にしている。

モミジ・カエデ目当ての今回の観察会、早速右側にハウチワカエデが出てきた。もう少しすると赤や黄色が混ざって素敵な紅葉を見せてくれるらしいが、今はまだ緑色のみ。
この先すぐを右に折れ階段78段降りると川沿いの遊歩道だ。
すぐ右にマイナスイオンが1t当たり2万個という乙女滝が大水量で落ちてくる。高さも幅もないけれど落ちてくる水の迫力は見ていて飽きない。

遊歩道を渋川の上流方面に向かう。カエデが目立つようになり、井澤さんから、カエデはすべて風媒花で木としては太古の古い木であると説明があった。
左斜面に、エイザンスミレの沢山の株が確認できた。春は美しい花が見られるに違いない。セキヤノアキチョウジの紫の花も見えて可愛らしい。

ヒトツバカエデやウリハダカエデ、コミネカエデがあらわれた後、遊歩道右側はカエデが減り、
ケヤキや20m位の高さまでまっすぐにそそりたつサワグルミ・ひこばえを何本も従えたカツラの大木があったりと木の様相が変わってきた。
サワグルミやカツラはすでに葉を落とし始めており、カツラの木のあたりは砂糖を焦がしたような良いにおいが漂っていた。匂いの成分はマルトールというそうだ。
カツラもサワグルミもカエデと同じ風媒花で木の歴史は古い。
風媒花は受粉を媒介する虫がまだいなかったために風に頼った受粉の仕方をしていたとのこと。

左に旅館の?浄化槽を過ぎ、右にサワグルミの木が多くなった辺りで、左に上がる階段を上がり、横谷峡温泉旅館の駐車場に出る。
温泉が植えたと思われるエゾノコリンゴが赤い実を付けて可愛い。
温泉のすぐ先の左側は広範囲に水が浸み出ており、ここは冬は凍結する氷瀑群となるそうだ。
その先右側に霧降の滝が見える。

時計は11時5分、今日はここが折り返し地点。
Uターンして温泉の前を抜けて、横谷峡遊歩道をいく。
遊歩道右側は板状節理の岩の壁・途中で柱状節理の岩も現れるがずーっと大きな岩の壁面が続き、途切れたところが蓼科パークホテル、その先が今日の解散地点の横谷峡駐車場である。

駐車場で最後に、井澤さんから、今年は暑さのせいで紅葉が一週間ほど遅れている。
紅葉の成り立ちは 紅葉は黄色の葉は緑が抜けて黄色に、赤い葉はアントシアニンができて赤色に、茶色の葉はタンニンができて茶色になりツヤもできると解説していただいた。

意に反し、赤や黄色でなく、緑の濃い中の散策となったが良い勉強となった。
11時35分ほぼ時間通りで解散。




1:コミネカエデ  2:イトマキイタヤ  3:アカイタヤ  4:エンコウカエデ
5:ヒナウチワカエデ  6:ヒトツバカエデ  7:エンコウカエデ  8:ウリハダカエデ
9:アサノハカエデ  10:エンコウカエデ  11:コミネカエデ



オオモミジ 木戸口神社の右側の道を行く 乙女滝
セキヤノアキチョウジ サルナシの実 チャナメツムタケ
食べられます
サワグルミ エゾノコリンゴの赤い実 ハウチワカエデ
カエデの識別方法を教えていただく 霧降の滝 板状節理



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