雲海

【2008年12月】
八ヶ岳南麓の澄んだ高い空に浮かぶ白い雲、そして、富士山その他の高い山々にできる千差万別の傘雲など、ここ、標高千メートルの当地に居を構えたればこその眺めに飽きることはありません。
その中でも感動するのが、晴れた日の冷え込んだ朝方に甲府盆地を埋めつくす眼下の雲海です。雲海が出た日、日の出前の薄暗いときからその雲海を眺めていると、分単位で刻一刻とその色合いが変化していきます。
また、静かな海面のように見えるその表面は、よく見ると、本物の海に似て、波うち、そして流れて、山の斜面に激しく打ち寄せていることに気づきます。
静的な水墨画のようなイメージの雲海ですが、刻々と変化する色合いとともに、そのダイナミックな動きを見ていると、『生きている!』という感動を与えてくれます。
。(撮影:向 一宇)