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八ヶ岳自然散策

ヒガンバナ(彼岸花)ヒガンバナ科

写真 【2026年8月】
 秋の彼岸の頃、全国一斉に咲く様子は日本の風物詩でもある。別名を「マンジュシャゲ」ともいうが、 法華経に、有難い赤い花『曼殊沙華』と記載されていることに由来するとの説もある。
 人里に広く分布しているのは、「葉見ず花見ず」とも呼ばれるように、葉は晩秋から早春にかけて生育し、農作物を栽培する夏には消え、 収穫が終わった秋の彼岸頃に花径が伸びて開花するので、農作業の邪魔にならないためであろう。 また、球根を砕いて水にさらすと有毒物質が水に溶け出し、多量の澱粉が残るため、「救荒食(きゅうこうしょく)」として重用されたためでもある。
 さらに、この植物は、埋葬した遺体を野生動物から守るため、有毒の「シキミ」などと同様に墓地に植えられたため、 「死人花・幽霊花」とも呼ばれるが、いずれにしても人と関って生育している植物である。

(文 写真 佐藤元昭)