【2025年11月】
秋の八ヶ岳山麓では、植物たちが来年へと命をつなぐために、さまざまな方法で種を旅立たせています。
クサボタンは花のあとにふわふわの綿毛を広げ、冷たい風にのって舞い上がります。
ヌスビトハギ、キンミズヒキなどは、散策の服や動物の毛にしっかりとくっついて運ばれる「ひっつき虫」。気づけば遠くまで旅しているのです。
そしてガマズミ、ムラサキシキブなどの実は、赤や紫に色づいて小鳥を呼び寄せ、食べられることで新しい土地に種を託します。
風に舞い、服にまとわり、小鳥と共に移動する──秋の野道を歩けば、足もとや枝先に、次の春を思わせる小さな工夫が静かに輝いています。
※写真はガマズミの実。
(文・写真 渡辺真由美)
| このページは、「 八ヶ岳ジャーナル」紙に寄稿した記事を掲載しています。 |
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