【2024年3月】
日本の山地の多くの渓流ぞいは木々が茂り小さな植物たちのゆりかごになっています。
八ヶ岳山麓にはそんな谷筋がたくさんあるので、湿った場所を好むネコノメソウ属の数種類の花が春先に観察されます。
ネコノメソウ属の花は非常に小さく花弁を持たず、萼や包葉が花のように見えます。
コガネネコノメソウやハナネコノメソウは群生している様子が可愛らしいので、毎年咲くのを楽しみにして確認しに行く谷があります。
『猫の目草』という和名ですが、果実が深く、細く裂開した様子がネコの目に似ていることが名の由来とのことです。
果実は熟すると皿型になり小さな種を付けます。雨滴によって種を拡散させる戦略です。
(文・写真 渡辺真由美)