イカリソウ
【2011年5月】
花の形が船の錨に似ているのでイカリソウと名づけられたそうです。この錨は和船で用いられた四本鉤のものです。
四方に伸びた錨の鉤にあたる部分は距(きょ)と呼ばれる器官で、これは花弁の一部が袋のように変化したものです。 距の中には花粉を媒介する昆虫をおびき寄せるための蜜が入っています。
また、タネにはアリが好む物質がついています。 アリは巣の近くまで種子を運び、その結果イカリソウは分布を広げるという仕組みとなっています。
低い山地の落葉樹林などに生育しています。写真のイカリソウは小淵沢の林の中で見つけました。 うすい赤紫色の花ですが、近くには白い花のイカリソウも咲いていました。(文・写真 竹内 時男)