【2017年12月】
私たちは八ヶ岳東面の夕陽に染まる姿に馴染んでいるが、私は夕照の山容を見たくなり正月明けに信州の中山展望台に登った。
ここは八ヶ岳鉱泉から40分ほどの所で、阿弥陀岳、赤岳、横岳それに硫黄岳の山懐に囲まれた標高2400mの小ピークにある。
そこからは2800~2900mに連なるそれら西面の垂直岩壁を真正面に望め、かつ背後には夕陽が沈む中央アルプスまで見通せる。
日没までの間、阿弥陀岳と赤岳は直ぐに日陰になってしまったが、日ノ岳から横岳にかけての岩肌は最初くすんだ茶色からそれに黄、金色が加わっていき、
日没寸前で強いオレンジ色に輝いた。刻々と変わる彩色ショーを5時の日没まで30分間にわたって楽しんだ。 (文・写真 青木興家)