オキナグサ

【2013年5月】
翁草とは、花後の羽毛の塊のような実を、老人の白髪に例えての命名である。
オキナグサを初めて見たのは学生時代、磐梯山の麓の雄国沼畔の草原だった。 それは暗赤紫色のとても美しい花だった。その後栽培品は見ることがあっても、自然の中で見ることはなく、 30数年ぶり天女山で再会できたときは大層嬉しかった。
このオキナグサが減ってきている。原因は、「ヒト」による盗掘が主であったが、 近年は「シカ」による食害が多い。キンポウゲ科の有毒植物であるにも拘らずである。
八ヶ岳自然クラブでは、昨年から八ヶ岳の中腹で、シカの食害から守るための保護柵設置活動をしている。(文 佐藤久江 ・ 写真 坂本鋼治)